【1月17日(日)】「WHO承認のワクチン、待てない」フン・セン首相

カンボジアのフン・セン首相は、WHO承認のワクチンのみを使用するとしていた前言を撤回し、中国製のワクチンを使用する考えを示唆した。タイからの帰国者に新型コロナの感染者が増えていることを受けて、方針転換をした。タイからの帰国者で1月16日までに感染が確認されたのは66人にのぼっている。
クメールタイムズ紙によると、フン・セン首相は「私たちは、(WHO承認のワクチンを)これ以上待つわけにはいかない。昨日も15人の新規感染者が確認され、今日も10人が確認された。すべて隣国タイからの帰国者だ。国民を守るためにワクチンをすぐに使う必要がある」とのボイスメッセ―ジを発表した。
さらに首相は、すでに中国製のワクチンを中国の政府幹部やインドネシアの大統領や国民が使用している、と指摘した。「中国の政府指導者たちは昨年10月からワクチンを接種している。現在まで、例えば中国の王毅外相は健康であり、どこへでも出かけている。王毅外相の実例をもってしても、中国製のワクチンが人間の健康に害を与えないことがわかる」
中国側は、国防関係者向けに、100万人分のワクチンをカンボジアに寄付することを表明しているという。フン・セン首相は中国からの人道援助に感謝を示し、この寄付のほかに、人口の80%に当たる1000万人分を購入する考えを示した。首相によれば、優先で接種を受けるのは、国王、首相、上下院議長、医療関係者、教員、陸軍、警察、衛生管理関係者、バイクやシクロタクシーだ、という。
首相は「ワクチン接種は無料で、自由意志に基づく」としており、引き続き、保健省が定める新型コロナウイルスの感染予防策を守るよう呼び掛けている。(写真はタイ国境での新型コロナ検査の様子=クメールタイムズ紙に掲載された提供写真)