1月2日(土)パキスタンの「世界一孤独なゾウ」カンボジアで順調な新生活

<クメールタイムズ提携記事>
パキスタンの首都イスラマバードの動物園で「世界一孤独なゾウ」として知られていたアジアゾウの「カーバン」が11月30日、カンボジア・シェムリアップに移送された。クメールタイムズ紙によると、カーバンは新天地となったカンボジアで健康に暮らし、まもなく自然保護区内に返されるという。
報道によると、カーバンは現在35歳ぐらい。1985年、1歳のときにスリランカからパキスタン・イスラマバードの動物園に移されたが、閉じ込められたり、鎖につながれたりしていたため、動物愛護家たちが飼育環境を改善するように署名活動を実施した。
パキスタンの動物園側は、「暴れる傾向がみられたために、一時的に鎖でつないだことがあるだけ」と主張したが、「カーバンを自由にする運動」は米歌手のシェールさんら著名人も加わり、署名は40万人以上となった。今年5月、イスラマバードの高等裁判所はカーバンに自由を与えることを命じ、自然保護当局に適切な移住先を見つけるように指示した。その結果、カンボジアの自然保護区へ移送されることになった。
特別機でパキスタンからカンボジアへ輸送され、現在、オドーミエンチェイ州の施設で暮らすカーバンについてCambodia Wildlife Sanctuary (CWS)の担当者は、「カーバンは、本来の姿をとりもどしている。他のゾウたちにもなじんでいる。パキスタンにいたときには太りすぎていたが、現在では健康的になっている。現在、ジャングルの中に15エーカーの保護区を設置しており、あと2か月ほどで完成したらカーバンを放つ予定だ」としている。
カンボジア環境省の報道官は「カーバンはもう、世界一孤独なゾウではない。カンボジアが彼の故郷になったことを誇りに思っている」と、述べた。
(参考:https://www.khmertimeskh.com/50799283/one-month-on-and-no-longer-the-worlds-loneliest-elephant/)