ハナサク街で②~国境を越えたオンナ達
国境を越えたオンナ達
海外に住んでいると、当然のことながら、その国で働いているオンナ達に出会う。
断っておくが、「駐妻」、と自称する女性はカウントしていない。主婦も立派な仕事ではあるが、ここでの、国境超えの基準は、「自分でその国に税金を払っているか」である。
カンボジアでは、個人で所得の確定申告をし、納税するシステムが無い。つまり、税務登録された企業に就労していない人は、たとえ納税しようとしても、納めるシステムさえ存在しない。したがって、登録された企業で働く人には、がっちり税金がかけられる。
カンボジア生活では、メイドさんも居て便利そうだが、四角い部屋を丸く履く事にも目をつぶらなくては成り立たない。
外国人価格などの不公平さや不便さに、唇を噛むときもあるが、何を言っても無駄なので「見て見ぬふり」ができる柔軟性のあるオンナが出来上がる。

それに対して、アメリカやオーストラリアは、自国民、他国民とも税金は基本同じ。
ただし、徴収と言っても源泉徴収ではなく、毎年自分で確定申告しなくてはいけないのだ。システムが確立している分、「おめこぼし」が無いから、必然的にしっかりしてくる。
コトバの問題もあり、会計士や弁護士を駆使しなくてはいけないので、自立心の強い、結果声の大きい、自分で何でもやるオンナが出来上がる。
これが、レンアイにも如実に反映される。
まずは、デートに至るまでの相手選び。デートの場所、食べ物から、アフェアに至るまでの経緯が、モノの見事に違うのだ。
日本を飛び出し、国境を越え、税金を払うオンナ達は、その性格や人生観までも、国境を越えてゆく。
どのオンナ達も、胸を張って仕事をしてほしい。どちらの国に居ても、国家予算にダイレクトに貢献しているんだから。
HANAKO
在カンボジア歴10年。東南アジアや米国など海外在住歴は20年近くになった。日系企業で営業のキャリアを積んだのち、遅めの結婚。バブル時代にならした審美眼と選球眼で、バブルのプノンペン、そして世界中の女性たちにエールを送る。