カンボジアから日本の子どもたちへオンライン授業 <JICAひろば>
カンボジアから日本の子どもたちへオンライン授業
私の活動先はプノンペンにあるボントラバエク中学校という学校です。こちらの学校には体育授業の発展、普及に貢献するべく派遣されました。現在の学校の様子ですが、全ての学校は新型コロナウィルス感染拡大により、対面授業の代わりにオンライン授業が行われています。
しかし、体育授業に関しては運動が伴う為、この教科のオンライン授業は行われていません。派遣当初に思い描いていた活動が出来ずに四苦八苦していたところ、日本で地域おこし協力隊として活動している同期隊員の方から、日本の小学校に向けてのオンライン授業の提案を頂きました。オンライン授業先である熊本県芦北町大野小学校では、授業の一環として子どもたちで作ったお米を売り、カンボジアに学校を建てるという支援を行なっており、今回は現地からの生の声を子どもたちに伝え、支援活動をより深めてほしいとのことで、提案を快諾しました。

オンライン授業のようす(2021年6月)
当日のオンライン授業では、小学5年生、6年生の児童を対象に1時間ほどの授業を自宅から行いました。授業の前半は、事前に購入しておいた現地の食べ物や飲み物を紹介したり、クイズで現地の画像を見せたりしながら授業を進行しました。普段は目にしない食べ物や画像を前に、子どもたちは非常に良い反応を示してくれました。授業の後半では、「なぜ支援が必要なのだろう?」というテーマで、カンボジアの歴史や実際の学校の様子を踏まえつつ、子どもたちと一緒に考えていきました。
オンライン授業を振り返ってみて、今回は「支援」について深く考えるというよりも、カンボジアについてまずは興味を持ってもらうことを目的に授業を行ったので、コミュニケーションを交えながら子どもたちと楽しく交流できました。子どもたちには授業をきっかけに、他国の文化に触れ、その国に興味を持ってもらうことで、現在行っている活動により価値を見出していってもらいたいと考えています。同時に、私自身もこのような機会を設けて頂けたことで、今後の活動のきっかけを作ることができました。大野小学校の方々、同期隊員の方には感謝申し上げます。
今回は初めてカンボジアと日本の学校を繋いでの授業となりましたが、将来的には、私の出身である千葉県の館山市の学校ともオンライン授業で交流をし、地域への社会還元をしたいと考えております。そして、子どもたちのより良い学びのためにも、カンボジアでの貴重な経験をこれからも大事にしていきます。

活動先のカウンターパートとの一枚(2021年5月)
<筆者紹介>
山崎 鉄平 YAMAZAKI Teppei
千葉県館山市出身。保健体育教諭。地元の学校で3年間勤務した後、海外の教育について深く学びたいという思いからJICA海外協力隊事業に参加。特技である剣道は小学校から現在まで続けており、部活動やスポーツ少年団での指導経験あり。将来の目標は、多くの国を見てまわり、教育に還元すること。