コロナ禍でも有効な自然と調和した農業を <JICAひろば>


カンボジア地雷埋設地域の脆弱な障害者家族への生計向上支援事業


 テラ・ルネッサンスでは、JICA草の根技術協力事業として、2017年4月から2021年3月まで、バッタンバン州カムリエン郡の地雷被害者を含む障害者100世帯を対象に生計向上支援を実施しました。

 収入源の多様化を図るため、グローバル経済のリスクやお金に関する知識を得るワークショップや、支出削減を狙った有機栽培による野菜栽培技術、牛、ヤギ、鶏、ハリナシミツバチの家畜銀行運営を支援しました。また、カウンターパートのバッタンバン州農林水産局と現地NGO・CRDNASEの農業専門家による家畜飼育技術訓練を実施し、家畜小屋などの飼育に必要な資機材を提供しました。

障害者世帯への家畜飼育訓練の後で(2017年8月)


 事業最終年の2020年には、対象地域での川が干上がるほどの深刻な水不足、新型コロナの感染拡大防止のためのタイ国境閉鎖、そしてカンボジア全土での大洪水の発生と、様々な外的影響を受けました。これにより、事業実施前、対象世帯の多くが依存していた換金作物を取扱う農業の危うさが露見し、身近に仕事や収入がなくなる人たちが多くなり、各家庭でできる家畜飼育や野菜栽培の有効性を対象世帯に認識してもらうことにもなりました。


家畜の病気の予防や治療に使える薬草の発酵液を共同で製作する対象世帯の障害者(2018年11月)


 今回の事業の支援対象者の一人である地雷被害者のイェン・ハンさんは、キャッサバ栽培に失敗し、事業実施前には数百万円規模の借金がありました。事前調査の時には、「借金返済のためにタイへ出稼ぎに行く予定で、話もしたくないし、写真を撮られるのも嫌だ」と事業参加に後ろ向きでした。

 しかし、家畜銀行を利用してヤギの飼育に取り組んだ結果、2021年4月までにUS$3,200の収入を得ることができました。現在は、自分で増築した小屋で30頭ほどのヤギを飼育しています。それだけでなく、鶏、牛に加え、様々な野菜、バナナ、花も植え、ハンさんの畑は多様な動植物であふれています。


自作したヤギ小屋に放牧していたヤギを連れて帰るイェン・ハンさん(写真右の緑色のシャツの男性)と奥さん(写真奥の赤いシャツの女性)(2021年2月)


 写真を撮られるのも嫌だと言っていたハンさんが、事業終了後の2021年4月に訪問すると、「一緒に写真を撮ってほしい」と言ってきたのには驚きました。すでにハンさんは、次を見据えています。「ヤギ飼育をする人が増えれば、いつか供給過多となり値段が下がるだろう。そのために、様々な種類の野菜や牛、鶏を育てるんだ。」と、話してくれました。きちんとリスク管理をし、自らの家計をコントロールするハンさんの土地は、訪問するとワクワクする場所です。

自分で建設したヤギ小屋の前で写真を一緒に撮ってほしいというイェン・ハンさん(写真左)と江角(2021年4月)


<筆者紹介>

江角泰 EZUMI Tai

2008年からアジア事業のプロジェクト・マネージャーとしてカンボジア事務所に駐在し、地雷埋設地域の地雷撤去後の村での村落開発支援や小学校建設支援を実施。2017年4月~2021年3月初めまで、草の根技術協力事業草の根パートナー型として、カンボジア地雷埋設地域の脆弱な障害者家族への生計向上支援事業を実施。

テラ・ルネッサンスHP:https://www.terra-r.jp

事業について:https://www.jica.go.jp/partner/kusanone/country/ku57pq00001jwgb9-att/cam_23_p.pdf







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