なるほど、そうか! 人事の小ネタ ⑦ 

コロナ禍が変えた働き方(後編)

 

 前号で、コロナ禍で日本の企業内で起きている「人」にまつわる変化について、実際に企業の皆さんに聞いたお話などをご紹介してきました。今号では、こうしたお話を元に、人と企業の繋がり方や組織の中での人財育成に関わる変化についてお話していきたいと思います。


 一例として、ITエンジニアの個人事業主化が増加、という話をしましたが、なぜ増加しているのでしょうか。もちろん収入を増やすために請け負う仕事を増やしたいという人もいると思いますが、意外なのは、退職して個人事業主になっても前職の会社の案件を業務委託契約するだけで、仕事内容はほぼ変わらない、というケースをよく耳にすることです。


 仕事内容は変わらないのに、なぜ退職という選択をする人が増えているのでしょうか。それには、こんな理由が考えられます。

社員であれば、

・会社の指示があれば出社しなければならない

・集中力が途切れて仕事がはかどらない時もパソコンに向かっていなければならない

・上司への定期的な業務報告

など、メインの仕事以外にもやらなければならないことがたくさんあります。

 さらには、組織に属している社員に求められる役割として、後輩や部下を育成する、という重要な役割があります。経験の少ない他者を育てることを面倒臭い、そして興味がない、という人が増えているとしたら、それは心配な状況です。


 少し話は逸れますが、私は個人事業主化する人が増えている理由の一つに、収入の得方、お金の増やし方の多様化があると思っています。

 副業を認める企業が増えていることはその顕著な例です。加えて、今は、お金の増やし方のバリエーションが増えました。私が社会人になりたての頃は、貯蓄といえば、会社から頂く給与を会社の財形貯蓄に回す、毎月一定額を銀行に預けること、貯蓄型の生命保険に入ることがメインでした。今は、副業を行うよりもハードルが低い方法として、投資への意識も確実に高まっています。ちなみに、日本の投資家比率は上昇の一途を辿っています(2015年30.4%→2020年40.5%。特に20代、30代という若年層が男女ともに上昇)。これは、日本で老後2000万円問題が叫ばれ始めたことで一段ギアがアップしましたが、さらにコロナがもう一段ギアを上げたのではないかとも考えられます。


 話を元に戻しましょう。

 企業が人と、「社員」ではない契約で繋がる形態が増えてくると、人事の大きな懸念は、「若手の人材育成をどうするか」ということでしょう。リモートワークにより、仕事を通じた育成(OJT)の機会は減り、かつ教えることを担当する社員の数は減っている。こうした状況は、じわじわと数年後に企業に響いて くることでしょう。

 

 ところで、一般的に、人財育成(教育)は、社員の役割としている企業が多いようですが、果たしてそうでしょうか。

 個人事業主に人財育成(教育)を任せるというのは成り立たない話でしょうか。

 私には少し異なる意見があります。

 業務委託契約内容に、他メンバーへのノウハウや知識の伝承も盛り込んだり、マニュアルの作成も盛り込んだりすることはできるのではないでしょうか。かたや、個人事業主側の目線でものを言えば、人に教えることは3つの意味で自分自身の能力の向上や獲得につながります。

 1つは教える能力そのもの。

 2つ目は、今持っている能力に更に磨きをかけて自分の強みを高めること。

 そして3つ目は新しい能力を獲得すること。

このように考えます。


 個人事業主としての私は、障がいを持つ人が企業の中で活躍するための企業側の仕組みの整備やコンサルティングを仕事の一つとしています。

 「仕事のノウハウを他の人に伝承したら、これから先、私に声がかからなくなるかもしれない」という不安が頭をもたげますが、「いやいや、新しい価値を提供するように背中を押されているのだ」と、少しやせ我慢が混じった思いを抱きながら、お客様には、「ノウハウは共有しますので、質問大歓迎! なんでも聞いてくださいね」とお伝えしています。


 人財育成のバトンリレーは、「企業の中の閉じた世界でするもの」とも、「バトンは一つだけ」とも、「渡すのはバトンだけ」とも決まっているわけではありません。

 日本の企業で直面しているこのような事情は、カンボジアではいかがでしょうか。カンボジアは世界幸福度調査で「他者への寛容さ」の順位が例年日本を上回っています。もしかすると、日本の企業の人財育成は、カンボジアから学ぶことがあるかもしれませんね。

梶原温美 Kajihara Harumi

1987年より2016年までメーカー(日系・外資系)、コンサルティングファーム、ベンチャー企業で主に人事職として働く。2016年より株式会社小野田コミュニケーションデザイン事務所に加入、同時期に、障がい者雇用を企業側から支援する事業を開始。キャリアコンサルタント資格保有。横浜在住歴20年超。「横浜は古さと新さの両方が違和感なく共存しているところが好き。現職の事業でカンボジアをたびたび訪れて大好きになりました!」

小野田コミュニケーションデザイン事務所

HP: https://www.onodacom.co.jp/

住所:〒244-0801 神奈川県横浜市戸塚区品濃町524-13-408

電話: +81-45-826-5110

メール:​info@onodacom.co.jp


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